リサイクルはかせが伝えたいこと<こども環境作文コンクール/静岡新聞社・静岡放送賞>
静岡大学教育学部附属浜松小学校 四年 壬生久葵
わたしはがんばっている。
かんきょうに良いことをしている。
そう思っていたのに、少しまちがえていました。
でも、こんなわたしのような人、他にいませんか。
だから、わたしは、伝えたいのです。
わたしの家の近くに大きなショッピングセンターがあります。
そこに行く時、お母さんは大きな荷物を持って行きます。
おかしいと思いませんか。
買い物をするのに荷物を持っていくなんて。
でも、おかしくなのです。
そこにはリサイクルステーションがあって、アルミカンやスチールカン、ペットボトルなどを集めているからです。
わたしの家では、お水をよく買うので、ペットボトルがたまってしまいます。
今日もエコバッグいっぱいに入れてきました。
リサイクルステーションには、黄色いジャンバーを着た係の人がいて出し方のアドバイスをしてくれます。
わたしがバッグをひっくり返して箱の中にペットボトルを入れると、
「たくさんジュースを飲んだね。」
と、声をかけられました。
「ジュースじゃなくて、お水です。」
とわたしが答えると、
「お水なら大丈夫。」
と言われました。
『何で、ジュースはダメなの。』
わたしの頭は、『はてな』でいっぱいになりました。
すると、
「ペットボトルってね、他の物に生まれかわる前にペレットっていうツブになるんだよ。」
「知っています。本で読んだことあります。」
「えらいね。でも、これはしってるかな。ペレットにした時、とう明になる物と茶色になる物があるってこと。」
「え、それは知らないです。」
「生まれかわる物は、とう明なペレットだけ。変色している物は、ダメなの。」
「どうして、茶色になる物があるのですか。」
「それはね、ジュースのようなあまい飲み物が入っていたペットボトルをすぐにあらわないでおくと、変色してしまうんだよ。」
わたしは固い物で頭をたたかれたようなしょうげきを感じました。
顔を上げると、お母さんもおどろいた様子で立ちすくんでいました。
「知らない人が多いから、教えてあげてね。」
係の人はそう言うと、軍手を外してわたしに手をふってくれました。
一生けん命リサイクルしてきたのに、半分くらいしか役に立っていなかったと思うとつらいけれど、今日からわたしはリサイクルはかせになって、みんなに伝えたいです。
「みなさん、ジュースが入っていたペットボトルは、飲み終わったらすぐにあらいましょうね。」