思考の臨界期 12歳
2017/05/08
直営校MIRAIは、開校以来子ども達に説いてきたことがあります。
それは『あなたの好きなことは何ですか︖』ということです。
自分の未来を切り開いていくには、自分の好きなことが何であるのかを分かっていることが重要です。
好きなことが分かるためには、材料が必要です。
材料とは、自分自身の様々な経験や具体的に褒められた経験です。
そういったことが頭の中で絡み合い、少しずつ自分の未来を形成していくのです。
ですから否定的な言い方は、子どもの未来をつぶしていると思います。
昨年より、やっと日本も思考力と想像力を育てる教育へと変革を始めました。
但し、その具体的方法はまだ示唆されていません。
しかし、高校受験問題は既に変容し始めています。
つまり、自分はどのように思いどのように対処していくのかを記述できる力と、それを人前で話せる力が今まで以上に必要になり始めたのです。
思考の材料は、幼児期においては形と数を使った遊びからです。
その経験が多ければ多いほど想像する力が高まっていきます。
その力を引き出す教育をするのが児童期なのです。
但し幼児期にその経験が少ない子は、引き出せる量を小学生になってからも増やしていく必要があるでしょう。
思考の臨界期は12 歳だと言われています。
勿論知識は学べば学ぶほどに増えてはいきます。
しかし、そうした知識が脳の中で絡みあい、より良い思考をしてくれる量は12歳の頃がピークだと言われています。
自分自身が大人になって12歳の頃と比べても、頭の中で思いをめぐらせられる量はさして変わっていないように感じるのです。
想像力の根本は、自分の心の声をまずは聞ける力を持つことではないでしょうか。
様々な出来事に対し家庭では「お母さんはこのように思うわ。あなたはどう思う︖」などと、考えを口にすることで子どもは徐々に自分自身の考えを育てていくものです。
親に物事や事象に対する考えがあまりなかったり、話さなければ子どもは、自分なりの考えを育てにくいものです。
新聞を読まなくなった現代では、親が意見を出し合うということすら減っているのではないでしょうか︖︕
私は、教育とは幸福になるためのものだと位置付けています。
その根本には自分自身を知る力を持つことが重要だと思います。
そして、好きなものに向かって歩んでいくことが幸福感を増すことに通ずるのだと思います。