やりたいことが見つからない大学生

2016/07/26
35年間、多くの大学生の入社面接をしてきました。
そのため、このような大学生をつくってはいけないという事例も多々見てきました。
最も残念なのは、一流大学を卒業しても尚、なりたい自分を見つけられなかった大学生です。
大学生に何故その学部を選択したのかを問うと、近年の傾向として「高校3年生の段階でなりたいものが決まっていなかったため、あまり目的もなく選んでしまいました。」といった返答が多いことです。
そのため大学4年生の3月になっても尚、自分の目指すべき進路が見えてこない大学生が大勢いるのです。 
塾講師という職業は子どもが好きで、小中学生くらいの勉強なら分かるからやってみようかな。と思われがちな職業です。
そのため、中には「子どもと共に成長していきたい︕」などと言う大学生も出てきます。
『ちょっと待って︕お金を頂いて子どもを伸ばす側の人間が共に成長をしていくって・・・勿論子どもをリードしていく側としてですよね︖︕』と、聞き直したくなるような大学生が沢山存在しているのです。
先日の会社説明会で出会った大学生は、高校3 年生までなりたい職業もなく、勉強する意味も見出せず親の勧めるままに一浪して某有名大学に入学したそうです。
そのためか、1年生の終わりには既に学校に行けなくなってしまったそうです。
その後仕送りを止められたため、飲食のアルバイトを始めバイト仲間に励まされながら、2年間の留年を経て何とか来春卒業するそうです。
しかし、今も尚なりたい職業は見つかっていないそうです。
見つからないままに面接に来て、私の前で素の自分を出し本音を話してしまったのです。
まだまだ自分探しの途中だったのだと思います。
彼のような大学生は、今の日本には数え切れないほどいると思います。
しかし、20年後には現在の職種の50%がなくなるとまでいわれている日本で、若者はどう対処していったらいいのかを困惑するのも当然なのかも知れません。
私には、35年前の塾開校当初から決めていることがあります。
それは、『幸せになれる教育をすること』です。
そのための指針は以下の3点です。
1.夢を描ける力を育む(方法は、好きな物が何であるのかに気付けるように誉めて育む)
2.優れた人と物に気づけるセンスを育む。(方法は、より良い人的物的環境を提供し続ける) 
3.お金をコントロールできる力を育む。(方法は、知恵がつくカリキュラムをプログラム化する) 
子ども達が学校を卒業するまでに、好きな仕事やなりたい自分を見つけられるように育むことが私の使命であり願いです。
また、一番好きな職業に着けなかったとしても「あの時あの先生に誉められたことが嬉しかったな。そうだ︕そのことに関連した仕事を探してみよう︕」と思い出してもらえるような言葉が掛けられる先生を、沢山作っていきたいです。