心の中に住む幼い頃の自分

2018/09/29

人間は生まれながらにして、体と心を一緒に育てる必要のある生き物です。

しかし、どちらか片方ではゆがみが生まれます。

例えば、児童虐待やネグレクトがその典型です。

そこまでいかずとも、親を恨んで育ってしまった子どもが少なからずいます。

自分自身の子どもが生まれるまでに自分の親を反面教師にできればよいのですが、自身の努力なくしてなかなか意識変革できないのが人間でしょう。

俗にいうアダルトチルドレンとは、幼少期に大人からされたつらい出来事により、ある時から心の成長を自ら止めてしまった成人のことをいいます。

ですから、何歳になってもその時の辛かった出来事以前の自分に逃げ込むようになってしまうのです。

そうならないためには、「決意」が大切です。

しかし、人間は本来弱い生き物で、一人で強く生きていくのは困難です。

そのため、「決意」は何度繰り返してもよいのです。

そうして生きていく間にこそ、心の通い合える親子関係が形成されていくのだと思います。

自分がアダルトチルドレンだと気が付いた時からが、改善のスタートです。

自分が変われば、かわいい我が子に対してそうはならないのですから。

反対に変われなければ、自分が親からされたように無意識に自分の子どもに辛い思いをさせてしまうことになるのです。

こうしたアダルトチルドレンにならざるを得ない経験がない保護者様はとても恵まれた環境の下、養育されたのだと思います。

何の理由もなく勉強だけを強要された思い出。

褒められることはめったになく、とにかく頭ごなしに指示された思い出。

突然突き放したようなことを言われた思い出。

何日も口をきいてもらえなかった思い出。

すぐに手を出されて怒られた思い出。

そうした思い出は、子ども心に大きな傷をつけるのです。

その結果、心のある部分が成長しないままでもう一人の自分が心の中にそっと身を潜めて生きる事となります。

その子を大人になった自分が、助け出すことを決意し進む中にこそ、我が子を救う道が開けてくるのです。