上手なレッスン下手なレッスン

2016/10/27
学生時代、面白くない先生の授業時間はとても長く感じたのは私だけではないでしょう。
しかし自分が先生になり、果たして当時の面白くない先生の授業より面白い授業が出来ているのでしょうか。
私は塾講師として、それを知る手立ては生徒のテスト結果であると捉えています。
塾の先生の使命は、学力向上。つまりテストの点の向上です。
しかし、面白みのない先生がテストの向上だけを目指して授業をしても生徒はついてこないでしょうし、よりつまらない授業になるでしょう。
学生時代、テストの成績だけが良かった面白みのない人が先生になると生徒は学ぶ意欲が高まりにくいのではないでしょうか。
では、学びの場における面白みの正体とはいったい何でしょう︖
先生が生徒の理解度レベルをイメージして組み立て、準備をし、その授業のシュミレーションを行なった内容だと思います。
その時に必要な物が先生の想像力だと思います。
しかし、昨年までの日本の義務教育の教育課程には、想像力を育てるカリキュラムは存在していないと感じてきました。
美術、音楽、国語の教科の指導目標の中にそれがあったとしても、受験の学科テストに影響を及ぼすことはありませんでした。
従って日本人の多くの若者は、年々想像力を失ってきたのではないのかと私は感じています。
右から左へ機械的に仕事をこなすことは得意でも、新たな方法や新たな物を考えて形にする力は弱まっていると感じています。
文部省自体もそこを憂い、暗記型から想像型の思考学習へと移項しつつあります。
例えば英語では、家の中が見えない絵を見せて「What do you think are they doing in the house?」という質問が投げかけられます。
つまらない先生なら「They are having diner.」 
面白い先生なら自分を指差しつつ「They are having party for me.」と少々おどけて言うでしょう。
絵は想像的に答えやすく描かれていても問題を出す先生が想像力がなければ、生徒の想像力など育つでしょうか︖
また、想像力とは何歳でも育つものでしょうか︖
私は思考の臨界期である12 歳までに想像力の90%が出来ると思います。
勉強は記憶力なくしては理解を深められません。
そして、記憶も理解もしやすくするのはインパクトです。
ですから脳へ語りかけるインパクトの入り口は面白く想像しやすいことが大切だと思います。
面白くない人に面白くしろというのは間違いだと思います。
しかし、先生と名のつくことを仕事とするのであれば、せめて今後の日本の受験問題を解き進める上にも、想像力の高まるインパクトあるレッスンを心がけてた指導をして頂きたいものです。
直営校MIRAIでは、本年度よりその点を特に留意したカリキュラムで先生指導会を行なっています。